STIGA Offensive Wood NCT (未登録製品)のレビュー by 36@管理人

総合評価: 4点

フォアに紅双喜 狂飈3NEO, バックにSTIGA Calibra LT Spin 2.0mmを貼っての感想です。ラケット本体の重量は81gでした。

合板構造は現行の「オフェンシブ」(=Offensive Classic, 以下OC)とよく似ていますが、以下の点で異なります。

・表面にコーティング層がある
・中芯のアユースが0.5mmほど厚くなっている (総厚5.9mm. 個体差あり?)
・ブレードが一回り小さい

見方を変えれば、Ebenholz NCT Vの上板を黒檀からリンバ(染色)に変更したものということもできそうです。

OCと比べると明らかに弾み(ランロックスやワルドナーセンゾーカーボンよりもやや上)、振動は控えめです。ループドライブの回転量はOCと比べてもさほど遜色なく、ミート系技術やカウンターの安定性が向上しています。スマッシュ時には5枚合板+中国ラバーとしてはかなり甲高い音を鳴らすことができます。

他にも、ブレード面積が小さくなったにもかかわらずスイートスポットはむしろ広くなったように感じること、そして、総重量を抑えることができるという美点があります。
スイートスポットの拡大については板厚のおかげなのか、コーティングによるものなのか、接着技術(コーティング + カーボンナノチューブ入り接着層 = NCT?)の恩恵なのか、プラシーボなのかはわかりません。重量については平均で80g程度(推測)で、両面にラバーを貼るペンホルダーの場合は大きなメリットになりうると思います(グリップ内部はおそらく空洞ですが、それにしてもやはり軽い部類)。

欠点を挙げるとすれば、OCからの乗り換えとしてはやや厚すぎていわゆる「しなり」を感じにくいこと、そしてなにより、日本における入手性の悪さです。

率直に言って、このラケットは高級品ではありません。上板は明らかに矧いでいるし、添芯のスプルースの木目もまばらです。欧州での実勢価格から考えればマージンを考慮しても定価7350~8400円が妥当なラインだったと思うのですが、代理店は1万2千円という価格を付けてしまいました。この製品をOCより安価に設定することは難しかったとしても(引継ぎ時に全面的な価格見直しを行ったという点でDONIC JAPANは素晴らしいと思います)、木材自体が高価で加工も難しいEbenholzやRosewood等と同じような価格帯で売り出そうとする方針は批判されても仕方がないでしょう。

まとめとしては「ラバー加工禁止時代の新定番となりえた万能ラケット。しかし価格と入手性の悪さが×」といったところでしょうか。★4つとさせていただきます。

(上記は未登録製品へのレビューのサンプルとして投稿したものです)

May 24, 2012 at 07:23

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